「いま電話できる?」と送ったのに、親友の折り返しに出なかった私。「ありがとね」と返した本当の理由

コラム

子どものころからの夢を前に、私は大事な答えを親友に預けようとしていました。そう気づいたとき、かかってきた親友からの電話に出られなくなったのです。翌朝、謝るのは私のほうだと思っていました。

子どものころからの夢を前に迷っていた私

小学生のころ、母と焼いたクッキーを友だちに配ったときから、お菓子を作る仕事が夢でした。それでも進路を決めるときには言い出せず、会社員になって6年。休みの日に焼き菓子を作るたび、あきらめきれない気持ちだけが残っていました。

思い切って受けた製菓の専門学校の社会人入試に合格したのは、3週間前です。ところが、安定した仕事を手放す勇気が出ません。家族にも職場にも言えないまま、手続きの期限だけが近づいていました。

期限が迫ったある夜、親友に「いま電話できる?」と送り、返事を待ちきれずに発信しました。呼び出し音のあとで切れ、代わりに返信が届きました。

「ごめん、いま飲み会中。30分後にかけるね」

待っていた30分で気づいたこと

合格通知の封筒を見つめながら、親友に何と言ってほしいのかを考えました。「行きなよ」と言われれば手続きをして、「もったいない」と言われればやめる。私は相談ではなく、決めてもらおうとしていたのです。

うまくいかなかったとき、親友のせいにしてしまうかもしれない。そう思うと急に自分が情けなくなり、親友に短く送りました。

「ごめん、やっぱり大丈夫」

数分後、親友からの着信が2回続きました。出たら、また答えを預けてしまう。通話ボタンに触れないまま、画面が暗くなるのを見ていました。

そのあと届いた「本当にごめん。いつでもいいから、話せるときに教えて」にも、返事を打てずにいました。

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