
隣の女性が注文した中トロを横取りした俺→店長が向けたタブレットと「先輩、私の分は自分で払いますね」
コラム
タブレットに映っていたもの
俺は湯のみを置き、タッチパネルの会計画面を開き、会計ボタンを押しました。早く店を出たかったのです。隣の女性の前に新しいお皿が届き、店員の声が聞こえました。
「お待たせいたしました。作り直した中トロです」
女性が食べ終えて席を立ってすぐ、黒いエプロンの男性がタブレットを手にやってきました。店長だと名乗ったその人は、画面を俺のほうへ向けました。
「こちらの中トロ2貫分は、お客様のお会計に加えさせていただきます」
店長は最後まで、声を荒らげることはありませんでした。俺が口を開く前に、後輩が財布を取り出しました。
「先輩、私の分は自分で払いますね」
後輩は千円札を2枚カウンターに置き、先に店を出ていきました。
そして...
レジで受け取った明細には、金色のお皿1枚分の金額が加わっていました。後輩の置いていった千円札2枚は、財布にしまわないまま、明細と一緒に握っていました。
取ったもん勝ちだと笑っていたのは、ついさっきの俺です。自動ドアの外に、後輩の姿はもうありませんでした。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)





























