
彼女の猫舌のことまで友達に話していた俺が、一度も彼女を集まりに連れて行かなかった理由
カップル
「そっか」が返ってこなかった
部屋に入ってソファの端に座ると、彼女はマグを持ったまま、俺の顔を見て言いました。
「あなたの友達、私の名前知ってたよ」
「……うん。聞いた」
いつもならここで「そっか」が返ってきて、話は終わるはずでした。
「私のことは話すのに、私には会わせたくないんだね」
彼女の目はこちらから動きませんでした。受け取ったマグの中を見たまま、言い訳の順番を考えては崩していました。
「少しだけ、時間ちょうだい」
「待つけど、ちゃんと聞かせてね」
うなずいて部屋を出たあと、駅までの道を一駅分余計に歩きました。
そして...
数日後、同じソファで、あだ名のことも相談のことも、順番に話しました。あいつらの前の俺を見られたくなかったのは、彼女のためではなく、自分のためだったことも。
彼女は最後まで聞いてから言いました。
「次の集まり、行くかどうかは私が決めてもいい?」
「うん」と答えて、それ以上は付け足しませんでした。
彼女の部屋を出てから、グループチャットに「次、彼女に声かけてみる。来るかは分からない」と送りました。既読が3つ並んだあと、最初に返ってきたのは、高校の頃と同じ呼び方でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)




























