「五分遅れる」と送って一時間来ない彼に、私が返した「じゃあ」

カップル

バス停で届いた返信

「じゃあの続きは会って聞かせて。いま走ってる」

近づいてきたバスのドアが開いたとき、一歩下がって乗るのをやめました。走り去るバスを見送ってから、入口脇のベンチまで引き返しました。

しばらくすると、坂の下から走ってくる彼の姿が見えたのです。髪は汗で額に張りつき、シャツは胸のあたりまで色が変わっていました。私の前で膝に手をついた彼が口にしたのは、「ごめん」だけでした。

1時間の理由を聞きたい気持ちはありました。けれど息を切らしたままの彼を見て、今は聞かずにおこうと決めました。

そして...

入場時間はとっくに過ぎていて、窓口で次の回の券を買い直しました。財布を出したのは彼のほう。

展示を見終えて駅へ向かう途中、あのメッセージの続きを口にしました。

「じゃあ、次は遅れる理由もちゃんと送って」

彼は少し間をあけて、「うん」とうなずきました。

最初に発券した2枚の券は、手帳に挟んで持ち帰りました。改札で手を振って別れるまで、どうしても聞けなかったことがあります。既読がついてからの長い時間、彼は何を考えていたのでしょうか。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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