
「私、太った?」に「知らない」と返し続けた彼→体重計を隠した私に、彼が言った一言
コラム
体重計を棚の奥へしまいました
ある朝も体重計へ乗りました。表示された数字を見てから鏡の前へ立ち、昨日と変わったところがないか何度も確認しました。そこで急に、何をしているのだろうと思いました。体重計に乗るたびに、彼の「知らない」が頭に浮かびます。答えをもらえなかったぶん、自分で数字を確認し続けているようでした。私は体重計を持ち上げました。洗面所の棚を開け、タオルの奥へ押し込みました。数字そのものが嫌になったわけではありません。ただ、今は少し距離を置きたいと思いました。そのまま棚を閉じました。彼が気づくとは思っていませんでした。
そして...
その週末、洗面所から戻ってきた彼が、「体重計、片づけた?」と聞きました。「うん」とだけ答えると、彼は少し迷ってから私の向かいへ座りました。そして言いました。「太ったかどうかを、俺が決めるみたいになるのが嫌だった」。思っていた答えと違いました。彼は続けました。子どものころ、彼の母親はよく体重を気にしていたそうです。食卓でも、「今日は食べすぎた」「明日は少し減らそう」と話し、食後に体重計へ乗ることもありました。彼は、食事をするたびに体型や数字の話になる家が苦手だったと言います。「だから、君に太ったとか痩せたとか、俺が評価するみたいに言いたくなかった」。そこで一度言葉を切ってから、「でも、『知らない』だけじゃ、どうでもいいって言ってるのと同じだったよな」と続けました。私は、「それなら先に言ってよ」と返しました。彼は、「ごめん。言葉が足りなかった」と謝りました。私はそのあと、体重計を元の場所へ戻しませんでした。今も棚の中にあります。ただ、彼の反応を確かめるためではなく、自分が必要だと思ったときに使えばいいと思っています。
(20代女性・アパレル販売)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























