「誰かに吹き込まれた?」改札を出たところで届いた彼のメッセージ→言い返した私に、沈黙のあと届いた2件

コラム

疑われたと思って送った返信のあと、彼からの返事はなかなか届きませんでした。1年前に止まったままの一緒に住む話を、彼はどんな思いで抱えていたのだろう。

電車の揺れに合わせて、送信ボタンの上で親指を行ったり来たりさせていました。宛先は、付き合って2年になる彼です。降りる駅の手前でようやく送ったメッセージに、返ってきたのは思っていたのとは違う言葉でした。

友人の言葉に背中を押されて

彼とは、2駅離れた町でそれぞれ1人暮らしをしています。1年ほど前、彼の部屋で物件サイトを見せられながら「一緒に住む?」と聞かれたことがありました。「まだいいかな」と返して、話はそれきりです。仕事が立て込んでいた時期で、深く考えずに出た返事でした。

それでも部屋の更新が近づくにつれ、今度は自分から切り出したい気持ちがふくらんでいきました。

その日は、彼の同期で、私たちを引き合わせてくれた友人とランチの約束がありました。食後のコーヒーが運ばれてきたころ、彼女がカップを両手で包みながら言いました。

「そろそろ一緒に住んだら?」

ずっと考えていたことを、誰かに先に言葉にしてもらえた気がしました。

疑われたように見えた返信

送った文面は、こうです。

「ねえ、一緒に住むの、そろそろ考えてみない?うちの更新、再来月なんだよね」

改札を出たところで、彼からの返信が表示されました。

「誰かに吹き込まれた?」

改札脇の柱の前で、そのメッセージを読み返しました。先月から、2人の駅の間にある町の間取り図を保存しては、家賃や広さを見比べてきたのは私自身です。友人の言葉は、きっかけにすぎませんでした。

家までの道は、スマホをバッグの底に入れたまま歩きました。部屋に着いてから長い反論を書きかけ、全部選んで削除。結局送ったのは短い文でした。

「なにそれ。自分で考えたんだけど」

既読はすぐにつきました。けれど返信は来ないまま、ケトルのお湯が沸いて、冷めていきました。今頃、言い訳でも考えているのだろうか。そう思うと、画面を下にしてテーブルに置くしかありませんでした。

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沸かし直したお湯
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