遠足のたびにクッキーを焼いていた私が、ママ友の市販のお菓子にあんな一言を言った理由

コラム

開けないままの箱

3日前に私が笑った袋に入っていた、あのレモンの飴でした。ママ友の顔と飴を交互に見てから、受け取りました。

「ありがとう」

包みを開けて渡すと、娘は飴を口に入れ、窓の外を見ながらゆっくり転がしていました。やがて私の肩にかかってきた、眠った娘の頭の重み。

膝の上のクッキーの箱は、園に着くまで一度も開きませんでした。オーブンの前で過ごした時間は、娘のためというより、義母に写真を送るためだったのかもしれない。窓の外を見ながら、そんなことを考えていました。

そして...

遠足から数日たったお迎えのとき、門の前で彼女を見つけて声をかけました。

「この前はありがとう。あの時ね、」

あの一言を謝って、義母のことも話すつもりでした。そこへ娘が園庭から走ってきて、私の手を引きました。小さく手を振って、そのまま門を離れてしまいました。

次の行事に向けて、スーパーでレモンの飴を1袋買いました。クッキーも、たぶんまた焼きます。言いかけた続きは、まだ彼女に伝えられていません。

(30代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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