
「彼女には内緒で頼みたいんだけど」帰りの電車で届いた彼の一通は私宛てではなかった→返ってきた答えは
コラム
返ってきたのは短い約束
今度は、返事が来るまでに時間がかかりました。ホームの人の流れが途切れたころ、ようやく画面が光ります。
「今度会ったとき、ちゃんと話す」
それ以上は何も書かれていません。聞きたいことはいくつも浮かびましたが、問い詰めても同じ答えが返ってくるだけだと思い、こう返しました。
「わかった」
ベンチから立ち上がり、改札へ向かいます。次に会う約束は、数日後の記念日の食事でした。
それまでの間も、彼からのメッセージはいつもと変わらない調子で届きました。帰り道で見かけた猫の写真も、仕事の愚痴も、普段どおり。変わらないからこそ、あの一通だけが画面の中で浮いて見えました。
そして...
約束の日、待ち合わせの改札へ向かう電車の中で、もう一度あの一通を開きました。
「彼女には内緒で頼みたいんだけど、この前教えてくれた店、今度一緒に行ってくれない?」
友人と行く店と、私には話せない用事。いい知らせなのか、そうでないのか、どちらにも読めてしまいます。
改札の向こうに、彼の姿が見えました。手を上げた彼は、いつもと同じ顔をしています。
予約していたレストランの席に着くと、彼は鞄から小さな布の袋を取り出しました。そして、内緒にしていた用事を順番に話してくれました。悪い知らせではないと分かって、私が返したのは一言だけ。友人と行くはずだったあの店には、次は2人で行く約束をしています。
用事の中身は分かりました。けれど、どうして私にだけ言えなかったのか。彼の説明だけでは、まだ腑に落ちていません。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)































