「おやすみ」の句点が5つになった日、俺が彼女に送り続けていたのは限界の合図だった

コラム

「私、何かしちゃった?」目覚ましを止めて開いた画面には、彼女の言葉と、俺が送ったはずの句点だらけの「おやすみ」が並んでいました。
カーテンの隙間が白み始めた部屋で、目覚ましの音に飛び起きました。ひと月前から、これが俺の毎日でした。付き合って1年になる彼女には、その理由をまだ話していませんでした。

ひと月前に始めたもうひとつの仕事

彼女とは離れて暮らしていて、会えるのは週末だけです。前に彼女が「毎日会える距離だったらいいのにね」とこぼしたことがあり、俺は彼女の住む町へ引っ越す資金を貯めると決めました。そこで、本業の前に荷物の仕分けのアルバイトを入れたのです。準備が整ってから伝えて驚かせたくて、彼女には話していませんでした。
寝る時間は削るしかありません。それでも、彼女との寝る前のやりとりだけは削りたくありませんでした。彼女はその日あったことを楽しそうに送ってきます。そこで「眠いから先に寝るね」と切り上げたら、理由を聞かれる気がしました。
だから、まぶたが重くなっても普段どおりの調子で返信を続けました。最後に「おやすみ」と送ることだけは、毎日欠かさないと決めていました。

打った覚えのない句点

彼女に指摘されてから送信履歴を見返して、ようやく分かりました。
「おやすみ。」
「おやすみ。。」
「おやすみ。。。」
どれも、打った記憶がほとんどありません。うとうとしながら句点のキーを何度も押して、そのまま送っていたのです。
最初の句点がついたのは、アルバイトを始めて数日目の頃。日を追うごとに疲れがたまり、句点の数もひとつずつ増えていきました。並んだ句点は、そのまま俺の限界を表していたのだと思います。

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