彼女への「了解」に毎回47分かけていた俺→待ち合わせのベンチで、慌てて伏せた画面の中身

コラム

名前を呼ばれて、思わずスマホを伏せました。画面に開いたままだったのは、47分の理由そのもの。彼女にだけは見られたくないものでした。
辞書アプリの検索欄に「了解」と打ち込むのは、もう何回目か分かりません。付き合って半年になる彼女に返す一言を、俺はまた調べていました。3つ年上の彼女に送る言葉は、いつまで経っても決まらないのです。

「了解」が怖くなった日

入社1年目、上司への返信に「了解です」と送って注意されたことがあります。目上の人には失礼だと言われ、その日から短い返事が苦手になりました。
彼女とは友人の紹介で知り合いました。最初のころ、彼女から届いた一言をよく覚えています。
「メッセージ、丁寧で好き」
それが嬉しくて、俺は彼女にとって丁寧な人でい続けたいと思いました。友だちのように話せる関係になっても、雑な一言で幻滅されるのが怖かったのです。

一言に47分かかる理由

「明日、駅前に11時でいい?」
彼女のメッセージを読むと、まず辞書アプリを開いていました。「了解」の意味、目上への使い方、言い換えの例。「承知しました」は堅すぎて他人行儀、「わかった」は軽すぎる気がしました。打っては消してを繰り返し、敬語の解説ページを何本も読みました。
長い返事なら気持ちを足せますが、短い返事はごまかしがききません。結局、行き着くのはいつも「了解」。解説ページを上から順に読み切るといつも同じくらいの時間になり、気づけば既読から47分ほど経っていました。休みの日でも、それは変わりませんでした。
彼女がその時間を数えていたなんて、考えたこともなかったのです。

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