
「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」と言った彼が、職場の飲み会に私を呼んだ→座敷で「彼女です」
コラム
ふすまが開くと、知らない人たちの視線が一斉にこちらへ向きました。駅までの帰り道、彼が口にしたのは「助かった」の一言だけ。私は何から彼を助けたのか、まだ分かっていません。
テレビのバラエティ番組で、恋人を職場の飲み会に連れてきた男性が紹介されていました。ソファでグラスのビールを飲んでいた彼は、その場面を見て鼻で笑いました。
バラエティ番組を見ながら
「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」
彼はそう言って、グラスをテーブルに置きました。仕事とプライベートはきっちり分けたい、というのが彼の口ぐせです。
私も彼の職場の集まりに顔を出したいとは思わなかったので、「そうだね」と笑って返しました。同棲して1年になりますが、彼の会社の人たちとは一度も会ったことがありません。
彼が仕事の話をするときも、出てくるのは仕事の中身ばかりでした。
届いたメッセージ
数週間後、彼は職場の飲み会に出かけていきました。私は家で洗濯物をたたみながら、テレビをつけっぱなしにしていたのです。
スマホが鳴ったのは、彼が出かけてから2時間ほどたった頃でした。
「今から店に来てもらえない?」
続けて、駅前の居酒屋の地図が送られてきました。どうしたのかと返すと、届いたのは「来てから話す」だけです。
急いで上着を羽織り、電車に乗りました。店の前では、入口の明かりの下で彼が待っていました。
「ごめん、少しだけ顔を出して」
彼に案内されて、奥の座敷へ向かいます。ふすまの向こうからは、にぎやかな笑い声。彼はふすまに手をかけ、一度だけ私の顔を見てから、それをゆっくりと開けたのでした。
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座敷の手前に座っていた人




























