雨の日に限って返信が夜まで来ない彼→バス停の前で見た雨合羽の横顔に、私が送った「今、どこにいるの?」

コラム

雨の中を走る背中

彼でした。
彼は私に気づかないまま、トラックの後ろに回って荷台の扉を開けました。中には、ビニールをかけた段ボールが天井近くまで積まれています。彼はその中から箱を3つ抱えると、雨の中を小走りで近くのビルへ入っていきました。
すぐに戻ってきて、また箱を抱えて走っていく。合羽の裾から、ズボンが濡れて色が変わっているのが見えました。
私はその場で、彼にメッセージを送りました。
「今、どこにいるの?」
彼はポケットに手を伸ばすこともなく、次の箱を抱えて走っていきます。画面の表示は、未読のままでした。

そして...

トラックが走り去ったあと、私は乗るはずだったバスを1本見送りました。
彼から聞いていた仕事は、「会社員」ということだけです。雨の中を走るあの背中のことは、一度も聞いたことがありませんでした。
その日も、返事が届いたのは日付が変わる少し前でした。
「ごめん、今日バタバタしてた」
バス停の前にトラックを止めていたあの仕事のことを、彼はなぜ私に話してくれなかったのでしょうか。
(20代女性・営業事務)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line