
「これ、いつから書いてたの」と夫に聞かれた私→友人の前で、夫の顔を見ずに言ったわけ
コラム
驚けなかった理由
友人を見送り、玄関の鍵を閉めた夫がこちらを振り返りました。
「妥協したのは、俺のほうだよ」
異動のこと、バイクのこと。夫は1つずつ並べていきました。どれもノートに書いてあることばかりで、驚くことはできません。
カップを2つ持ったまま、私は夫の顔を見ていました。言い返す言葉なら、いくらでも浮かびます。でもどれも、自分を守るための言い訳にしかなりませんでした。
そして...
「ちょっと待ってて」
カップを置いて寝室に行き、引き出しからノートを出して夫に渡しました。
最初のページには「異動の話、断ってくれた」、その下には「バイク。いつか買い戻す」と書いてあります。
ページをめくる夫に、私はやっと「ごめん」と言えました。「これ、いつから書いてたの」。ノートから目を上げずに夫が聞いたのは、それだけでした。
妥協してあげたと口にしたあの日も、私はこのノートで、自分が妥協されている側だと分かっていました。
(30代女性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























