「孫の顔はまだ?」と玄関で聞く義母→止める夫に「あなたは黙ってて。これは私の楽しみなんだから」

コラム

箸を置いて伝えたこと

「お義母さん。私たちの子どもは、誰かに見せるために産むものじゃありません」

自分の声が、思ったよりはっきりと食卓に響きました。義母は取り皿をテーブルに置き、私の顔を見ます。

「いつにするかは、夫と2人で決めます」

続けて言うと、隣で夫が小さくうなずきました。

「俺も同じ考えだから」

義母は夫と私を順番に見てから、短く答えました。

「そう」

それきり義母は口を閉じ、残りの料理を何も言わずに取り分けはじめました。義父が「この煮物、うまいな」とぽつりと言い、食卓には箸の音だけが戻ってきます。見送りの玄関でも、あの質問は出てきませんでした。

そして...

帰りの車で、夫は前を向いたまま「言ってくれて、ありがとう」とつぶやきました。家で手帳を開き、次の義実家の予定を、今度は目をそらさずに書き込みました。

それでも、腑に落ちないことが残っています。あれほど毎回同じ質問を繰り返していた義母が、なぜ「そう」の一言で引き下がったのか。義母がそこまで孫の顔にこだわる理由を、私はまだ知りません。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line