
「いいのよ、座って」しか言えなかった。嫁にだけ1時間遅い時刻を送った私の本心
ライフスタイル
台所の窓の向こうに、夫の叔母の車が入ってくるのが見えました。息子から見て大叔母にあたる人で、親戚が集まるお正月、誰より早くやって来るのはいつもこの人です。エプロンのひもを結び直しながら、息子の嫁に送ったメッセージのことを思い出していました。
30年前から変わらない台所
この家に嫁いで最初のお正月、集まりが始まるずっと前から、私は大叔母に台所へ呼ばれました。煮物の味が薄い、盛りつけが雑だ。親戚が居間でお酒を飲んでいる間、小言を聞きながら包丁を握り続けたことを覚えています。
大叔母のやり方は、それから30年近く変わっていません。
息子が結婚の挨拶に嫁を連れてきた日、食事が終わると、嫁は誰に言われるでもなく台所に立ち、洗い物を始めました。その背中を見て、あの台所だけはこの子に見せたくないと思ったのです。
本当の時間を書かなかったメッセージ
集まりの時刻は、いつも親族のグループチャットで知らせています。嫁はそのチャットに入っていないので、個別に送りました。
「お正月の集まり、13時に来てくれたら大丈夫だからね」
本当の集合より、1時間遅い時刻です。その1時間で料理を仕上げ、大叔母がお酒を飲んで落ち着いた頃に嫁が着けば、台所に呼ばれることはありません。
理由を書かなかったのは、大叔母を悪く言うことになるから。事情を知れば、嫁はきっと早く来て、台所に入ってしまう。
当日、最後の煮物を器に移していたとき、玄関の引き戸が開く音がしました。
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嫁の顔を見られないまま





























