
「お前の料理よりカップ麺のほうがマシ」と言った夫→1週間後、私のレシピを見ながら味噌汁を作っていました
コラム
私のレシピを見ていた夫
1週間ほどたった休日、私は買い物へ出ました。帰宅すると、台所からだしの匂いがしました。夫が立っています。冷蔵庫には、私が普段使う調味料の分量を書いたメモを貼ってあります。夫はその紙と鍋を交互に見ながら、おたまで味噌汁をすくっていました。「何してるの?」と聞くと、夫は振り返りました。「味噌汁」。見れば分かります。ただ、なぜ今になって自分で作っているのかが分かりませんでした。夫は少し黙ってから、「言っていいことじゃなかった。ごめん」と言いました。私はすぐには返しませんでした。「母さんに味噌汁の作り方を聞いた」。思わず、「私のじゃなくて?」と聞き返しました。夫は、「最初は、実家の味を作ろうと思ってた」と答えました。鍋のほうを見ました。「でも、母さんに『あんたが濃い味好きだったから濃くしてただけ』って言われた」。私はそのまま聞いていました。「ずっと、母さんの味が普通なんだと思ってた。でも、あれも俺に合わせてくれてただけだった」。夫は、冷蔵庫の私のメモを指しました。「だから今日は、これで作ってみた」。
そして...
私は鍋の味噌汁を少しだけ味見しました。普段、私が作るものとほとんど同じ味でした。夫も自分の椀によそって飲みました。「薄い?」と聞くと、夫は少し考えてから、「前なら薄いって言ってたと思う」と答えました。「今は?」。「少なくとも、薄いから駄目っていう味じゃなかった」。私は、「実家と同じにする必要はないよ」と言いました。夫は、「うん」と返しました。あの日の「カップ麺のほうがマシ」を許したわけではありません。夫にも、「味が合わないなら普通に言って。でも、ああいう言い方はもうやめて」と伝えると、夫はもう一度謝りました。今は、休みの日には夫が味噌汁を作ることがあります。濃い日は、私が「今日はちょっと濃いね」と伝えています。夫も私の料理について、「もう少し濃いほうが好き」と言うことがあります。ただ、実家の味を正解にして比べることは、あれ以来なくなりました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























