おやすみ通話の最後に「5秒待って」と言う彼→「通話の最後の5秒って、何してるの?」と聞くと

コラム

切らずに待った5秒のその先

「おやすみ。あ、5秒待って」
いつもの沈黙のあと、彼の声がしました。
「よし、切っていいよ」
私は終了ボタンに触れず、画面を見つめていました。通話時間の表示が、10秒、15秒と進んでいきます。彼のほうも切る気配はありません。
1分近く経ったころ、ようやく彼が口を開きました。
「……まだ、つながってる?」
「うん。今日は先に切って」
私がそう返すと、長い沈黙が続きました。やがて聞こえてきたのは、困ったような小さな笑い声でした。
「明日、ちゃんと話すから。今日は切って」
私はいつものように終了ボタンを押しました。

そして...

次の日、仕事の休憩中に彼からメッセージが届きました。
「昨日はごめん。あの5秒のこと、今日の通話で話してもいい?」
「わかった」とだけ返して、スマホを伏せました。
その夜の通話で、彼は5秒のことを順番に話してくれました。通話の終わり、彼は初めて5秒を待たずに、自分から口を開いたのです。
毎回欠かさず続いてきたあの5秒の間、彼は通話の向こうで何をしていたのか。そしてなぜ、最後のボタンをいつも私に押させたのでしょうか。
(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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