記念日に送った「今日もよろしくね」が1日中未読の彼→21時、閉まった花屋のシャッターの前に立っていた

コラム

花屋のシャッターの前

駅を出たのは、21時を少し過ぎたころでした。店へ向かう途中、商店街の向こう側に見慣れた後ろ姿を見つけました。
彼は、明かりの消えた花屋の前に立っていました。シャッターは下りていました。彼はスマホではなく腕時計を何度も確かめ、シャッター横の小さなドアのほうを向いていました。待ち合わせに遅れたくないとき、彼がよくする仕草です。
閉まった花屋の前で、彼は何を待っているのか。仕事は終わっているのに、どうして私のメッセージは未読のままなのか。
声をかけることもできず、私は道の向こうの自販機の横から、彼の背中を見ていました。

そして...

そのとき、シャッター横のドアがゆっくりと開きました。中から誰かが出てきて、彼が深く頭を下げるのが見えました。
振り返った彼の腕には、花束が抱えられていました。
「なんでここにいるの」
彼はそう言って、道を渡って駆け寄ってきました。私は未読のままの画面を向けました。彼はその場でメッセージを開き、花束を差し出しました。私は「遅いよ」と言いながら、添えられたカードを読み、しばらく花束に顔をうずめていました。
それでも、彼はなぜ1日中、私のメッセージを開かなかったのでしょうか。
(20代女性・アパレル販売)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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