
記念日の「今日もよろしくね」を1日中開けなかった俺→その返事は、休憩中の電話で花屋に伝えていた
コラム
シャッターの前で
仕事を終えて、花屋へ走りました。明かりの消えた店の前で、腕時計を何度も確かめました。約束の時刻まで、あと少しでした。
シャッター横のドアが開き、店主さんが花束を抱えて出てきました。俺は深く頭を下げて受け取りました。
「彼女さん、喜ぶといいね」
花束を抱えて振り返ったとき、道の向こうの自販機の横に、見慣れた上着が見えました。
そして...
「なんでここにいるの」
思わずそう言って駆け寄ると、彼女は少しむっとした顔で、画面を俺に向けました。そこには、未読のままの「1年ありがとう。今日もよろしくね」。
俺はその場でメッセージを開き、花束を差し出しました。彼女は「遅いよ」と言いながら、添えられたカードを読みました。「再来年も、その先も、よろしく」と書いた1枚です。彼女はしばらく、花束に顔をうずめていました。
1日中未読だったあのメッセージへの返事を、俺は休憩中の電話で、もう花屋さんに伝えていたのです。
(20代男性・調理師)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























