
「昇進した女は可愛くない」と言った彼が、私の昇進の日に台所で見せた顔
コラム
見たことのない顔
眉が下がり、口はかたく結ばれていました。
目のふちが、見る見るうちに赤くなっていきます。
怒っているのか、悲しんでいるのか、私には区別がつきませんでした。
あの言葉を口にした日と同じ人とは、とても思えない顔です。
「ちょっと待って」
彼はコンロの火を止めて、寝室に入っていきました。
閉まったドアの向こうからは、物音1つ聞こえてきません。
フライパンの中では、炒めかけの野菜がまだ湯気を立てていました。
台所に残された私は、鞄を置いた場所に立ったまま、そのドアを見ていたのです。
そして...
しばらくして寝室から出てきた彼は、テーブルの椅子を1つ引いて、私のほうを見ました。
「座ってくれる?」
言われるままその椅子に腰を下ろすと、彼は向かいに座って両手をテーブルの上で組みます。
目のふちには、まだ赤みが残っていました。
彼が最初に口にしたのは、「昇進おめでとう」でした。
「遅い」
そう返しながら、私は少しだけ笑っていました。
彼は組んだ手に目を落とし、ゆっくりと口を開きます。
「昇進した女は可愛くない」と言ったはずの人が、どうして私の昇進にあんな顔をしたのでしょうか。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)






























