「じゃあ、俺の分これね」と2000円を出した俺→車も免許もないのにドライブに誘い続けたわけ

コラム

自分の分で十分だと思っていた

金額を確かめて、財布から千円札を2枚出しました。
「じゃあ、俺の分これね」
俺の中で、この日は彼女の好きなドライブに付き合ってあげる日でした。行き先も俺が決めてあげたのだから、食事は自分の分を払えば十分だと思っていたのです。高速代やガソリン代のことは、考えたこともありませんでした。
彼女がレジで払っているあいだに、先に店を出て車の前で待っていました。運転が好きな彼女なら、帰りも遠回りできたほうがうれしいはず。そう思って、助手席のシートを倒しながら声をかけます。
「帰り、遠回りして海のほうも寄れない?」
「今日はもう帰ろう」
「えー、せっかくなのに」
せっかく提案してあげたのに、と少し不満でした。それでも帰り道に彼女が相づちを打ってくれたので、楽しい1日だったと信じて疑わなかったのです。

そして...

駅で降ろしてもらってから、彼女にメッセージを送りました。
「今日楽しかった!また行こう」
返事が来ないまま数日がたち、次の行き先を探そうと同じ湖までの道を地図アプリで調べました。画面に出た高速料金を見て、あの日、高速代もガソリン代も1円も出していなかったことに気づきます。
とはいえ、彼女の好きなドライブに付き合ったのは俺のほうです。言ってくれれば払ったのに、という気持ちのほうが先に立ちました。
チャットの一番下には、今も俺の「今日楽しかった!また行こう」が残ったままです。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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