
「家にいるだけの女」と言った俺→真っ暗な家から妻を探し回ったわけ
コラム
改札の前で
近所のスーパー、公園、図書館と回りましたが、妻はいません。最後に思いついたのが駅でした。どこかへ出かけたなら、必ずここを通るはずです。
上着を腕にかけて、券売機の前で改札を見ていました。人の流れの中に妻の顔が見えたとき、気づけば歩き出していました。
「どこ行ってたんだよ」
「試験を受けてた。スマホ、電源切ったままで」
何の試験なのかも、俺は知りませんでした。謝るつもりで帰ってきたのに、口を開きかけて、そのまま閉じてしまいます。黙って、妻の鞄を受け取りました。シャツの裾が出ていたことに気づいたのは、家に帰ってからです。
そして...
その日は謝れないまま、先に布団に入ったのです。
次の日、テーブルの上に簿記のテキストが置いてありました。付箋がたくさん貼られたページを見て、妻が家で何をしていたのかを初めて知りました。謝るのは、そのテキストのことを妻に聞くときにしようと決めています。
家にいるだけの女。そう言い放った俺の家は、妻がいなければ明かり1つつかない場所でした。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























